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バレエ劇団噴水 barayume.exblog.jp

「バレエ劇団噴水」はバレエとダンスの楽しいショーを上演しています。お問合せpurima63@yahoo.co.jp


by KYOUSUKE

8月の噴水キャバレエの公演のお知らせ

噴水キャバレエがお送りする真夏の公演は、8月15日終戦記念日の宵に決定!会場のコール田無は青梅街道沿いの総持寺と田無神社の間にあります。竹林の中、提灯が揺らめき、雰囲気抜群です。

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【公演日時】 2009年8月15日(土) 18時半開場~19時開演
【公演場所】コール田無地下2階多目的ホール(西武新宿線田無駅北口徒歩7分)
【料金】 前売り¥2,800(メール予約)当日¥3,000  
【会場TEL】042-469-5006
【メール】purima3@excite.co.jp
 

能をベースにした三島由紀夫の近代能楽集から「班女」と、創作バレエを踊る宵に是非いらしてください。コール田無は隣に、総持寺、田無神社があり、緑の多いホールです。薪能のように夜の闇に光が交錯し、万物に宿る生命と作品とが呼吸し合うような雰囲気を味わっていただけたら、と思います。
 【班女の上演に寄せて】
 話は気の狂った遊女の花子が、かつて永久の愛を誓い合った男の帰りを待ち続け、また男と再会するという能の「班女」の筋書きをそのまま用いています。能の物語では、花子が正気を取り戻す結末ですが、三島由紀夫の近代能楽集での結末は、救いの無い苦々しい最後をもたらします。それは皮肉極まる「愛の亡骸」として見る人に迫ってくるでしょう。
 そもそも三島の戯曲、小節に言える事ですが強烈なまでの死への憧憬が物語の隅々に横たわっています。しかしそれは現代人特有の病とまで言われている生への反逆行為としての自殺を、単純に仄めかす類のものではありません。「死」という無形の浄化された精神上の世界に向かう、有形の我々が、肉体の死を迎える以前に、俗世に塗れる内に、精神の死を図らずも迎えてしまっていることを、強烈に批判しているものであるのです。
 三島由紀夫はかつて全ての創作活動が奏でていた「死の交響曲」の仕上げというべき、衝撃的割腹自殺を市ヶ谷の自衛隊施設で行ったことは、もはや誰もが知る歴史的事件です。しかしそんな常軌を逸した凄惨な死は彼の遺作を辱めるどころか、むしろ創作作品は永遠の生命を得る結果となりました。そのテーマでもある「死」は、ただ生きているだけにすぎない我々、凡庸で欺瞞に満ちた偽りの「生」だの「愛」だの「平穏」だのを享受する者を嘲笑い、生前の彼の端正な面差しそのままに、冷たい視線を読者に投げかけるのです。
by purima3 | 2009-06-02 14:56